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埼玉県行政文書重要文化財指定記念特別展
「近代をひらく鉄道 記録が伝える近代―埼玉県行政文書という世界―」の開催

会期:平成21年10月24日(土)〜12月6日(日)

開館時間:9:00〜17:00

休館日:月曜日、国民の祝日

観覧料:無料

交通:JR浦和駅西口下車 徒歩12分または国際興業バス「県庁裏」下車すぐ
   JR中浦和駅下車  徒歩15分または国際興業バス「県庁前」下車徒歩3分

開催の趣旨と構成
 平成21(2009)年7月10日、明治初年以来約80年間に及ぶ県の行政文書(公文
書)が、学術上価値の高い歴史資料として国の重要文化財に指定されました。
これまで歴史資料部門の近代資料には、坂本龍馬、岩倉具視、大久保利通などの
関係資料が指定されてきましたが、今回の埼玉県行政文書の指定は、行政執行上
の必要から作成される県庁の記録もこれらの資料と同様に、日本の近代史にとっ
て重要かつ不可欠な存在であることを示すものとなりました。今回、これを記念
し、ひろく埼玉県行政文書をご紹介するため、この特別展を開催することといた
しました。
 さて、今回の指定では、@年代・内容ともに偏りが少なく系統的に伝えられて
いること、A埼玉県の基本政策や行政機構を知るうえでの基本資料であること、
B地域社会が近代化する過程を具体的に伝え、近代史研究、地方行政史研究上重
要であること、などが評価されました。この展示では、これらの特徴を大きく次
の2つのパートによって紹介します。
T 日本近代史のなかの行政文書
 文明開化、秩父事件、太平洋戦争など、中学校で学ぶ日本近代史に則した展示
です。誰もが知っている歴史的事件の地域的展開や県民生活への影響など、地域
社会の近代化を伝える行政文書をみていただきます。あわせて、実際にこれらの
文書が学校で活用されている成果として、埼玉大学教育学部附属中学校2年生の
皆さんの研究報告も展示します。
U 鉄道が示す行政文書の拡がり
 行政文書は社会の様々な分野にわたる拡がりをもっていますが、それは、学務
部、土木部といった行政分野別の「部」に分類整理することによって体系立てら
れています。このコーナーでは、地域社会の近代化を象徴する事象のひとつであ
る「鉄道」をキーワードにして、それぞれの「部」から「鉄道」にちなんだ文書
を取り上げることにより、その分類と全体としての拡がりをお伝えします。
 また、行政文書の価値は同時代の民間文書とあわせての利用により一層高まる
といえます。最後に、行政文書と並ぶ当館の基幹資料である「古文書」のうち、
近代企業文書(日本煉瓦製造株式会社文書)と組み合わせた展示コーナー(深谷
・上敷免間専用鉄道)も設けています。
 「埼玉県行政文書」は、実際に手に取って地域の歴史や文化をひもといてこそ
価値のある文化財です。今回の特別展が、多くの方々にとって、その契機となれ
ば幸いです。

HPに12pの図録をPDFでアップしていますので、参照ください。