記録遺産を守るために
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】
トップページ
東日本大震災臨時委員会 岩手県陸前高田市での活動報告
平成23年8月10日〜11日

  <8月10日>

  09:00 仙台空港へ到着(井口・島田・福島)、レンタカーで現地入り
  13:30 陸前高田市、法政大学、神奈川県立公文書館、全史料協で協議【別紙1】
  15:00 旧矢作小学校へ移動
      自衛隊によって搬送された公文書の状況を確認
  16:30 旧矢作小学校を退出

  <8月11日>

  07:30 宿舎を出発(井口・島田・林・福島)
  09:30 教育委員会・小岩氏に面会。【別紙2】
  10:00 総務部長に挨拶
      市役所、図書館、博物館の被害状況を視察。旧矢作小へ移動
  11:00 試行的作業 林氏による指導/法政大作業の続き
  12:00 休憩、市内被害状況を視察
  13:30 打ち合わせ、片付け
  14:30 旧矢作小を撤収


  【別紙1】   8/10 陸前高田市役所での協議記録   陸前高田市 総務部総務課課長補佐 戸羽良一氏                行政係長 高橋良明氏   法政大学 サスティナビリティ研究教育機構プロジェクト・マネージャ 金慶南准教授   神奈川県立公文書館 館長 下元省吾氏             資料課副主幹 遠藤茂氏   全史料協 会長 井口和起        東日本大震災臨時委員 島田克彦        会員 林貴史(法政大学の作業にも参加)        事務局 福島幸宏   主な発言の要旨   ○全史料協から説明    7/22付文書で公文書レスキューの方策について提案。    市の了承が得られれば、早めの作業開始を希望。そのための打ち合わせや作業の準備として    今回現地入りした。   ○高橋    市OB(ボランティア)に個別の文書について復旧の要・不要を判断してもらう予定。人数    は都合により増減ある見込み。    岩手県の緊急雇用の人々にも作業に加わってもらう。15人ほどの予定。    市の緊急雇用も合流の予定。10人ほど。    これらの人々の稼働は月―金(平日)の9:00〜17:00としたい。8/22から作業可能か。   ○戸羽    公文書の修復はいつかやらないといけないと思っている。ただし市側でできるのは保存と廃    棄の弁別か。    すぐに使いたい文書は自分たちで探し出して運んできたが、修復はできない。    そのため、修復のための技術面での指導を得たい。   ○林    紙を乾燥させるのが第一。そのため、旧矢作小での作業の「立てて置く」ところから始めて    いる。   ○井口    作業には目録化も含めるべき。方策や手順について関係者が合意する必要。    作業する側から言えば、広いスペースが必要。また籠やキッチンペーパーといった資材も必    要。    また公文書であることから、人員として他府県の文書担当職員が従事することも大切。    この点、全国知事会にも要望を出したところだ。市にも理解と協力をお願いしたい。   ○高橋    市職員が作業について理解し、県に説明する必要がある。ある程度作業が進んだ時点で県あ    ての文書を作成し、要望したい。   ○下元    市の要望に沿いたい。    神奈川県が着手できるのは10月から。搬出して作業を行いたい。   ○井口    市議会関係文書については法政大学で作業。現在、市に残っているのは現用文書であり、こ    れを分割することについてはさまざまな意見がありうる。また、作業場である小学校は、遺    体安置所になっているという現状。そして、いつまでこの状態が続くかわからない。    公文書に関わる作業は現地で行うのが原則。ただし今回の大規模災害においては、上記事情    から、移動もやむをえない。   ○島田    法政大の作業の状況は?   ○金    6/1-2  陸前高田市・気仙沼市・南三陸町の調査を実施。    7月   陸前高田市で作業を開始。文書の乾燥と、市議会関係文書の掘り出し    810-11 上記の続き。これまでに180冊を掘り出したところ。    9/1-14  作業予定日    法政大が対象とするのは議会関係だが、選別のための作業を行う事になろう。   ○全史料協から補足と確認    文化庁の文化財レスキュー事業の枠組みにも載せたい。    作業は平日に行う方針としたい。また、公文書を扱うことから行政情報の取り扱いについて    参加者から誓約書を提出してもらう。    作業には全史料協会員を中心に全国の専門家があたる。そのためWeb上で呼びかけを行いた    い(この点は市が了承)     ※協議を踏まえた全史料協の方針(案)   (1)市・法政大学・神奈川県と連絡・調整しつつ、レスキュー作業を実施する。   (2)「救援活動参加専門家」として登録している41人(8/9時点の人数)に作業への参加を      呼びかける。
  【別紙2】   8/11 陸前高田市教育委員会担当者との協議記録   陸前高田市教育委員会事務局生涯学習課 課長補佐兼生涯学習係長 小岩孝朗氏    ※県教委より応援派遣された職員。   陸前高田市における作業も、文化財レスキューの一環としても取り組みたい。そのため、救援   委員会と調整中。市教委としてもこの事業について了承していただいた上で、県教委へ文書を   出して欲しい。   ※小岩氏は全史料協の要請を了承された。   ※市役所庁舎から旧矢作小への文書搬送について。自衛隊が運んだのは市長部局分で、    教委分については小岩氏らが搬送したとのこと。   ※小・中学校が大きな被害を受けたことにかんがみ、これら被災学校の所蔵資料・文書(沿革    史等)への配慮もお願いした。

全国歴史資料保存利用機関連絡協議会 事務局   
全史料協に対するご意見・ご要望はこちらまで   Copyright (C)2005 全史料協 All Rights Reserved.