記録遺産を守るために 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】
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全国市長会への要望書

                             平成23年5月27日 
  
 全国市長会会長  森  民 夫 様 


                       全国歴史資料保存利用機関連絡協議会
                       会長 井口 和起


     東日本大震災被災地における公文書等の保全・保存に関する要望書


 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(略称「全史料協」)は、国や地方自治体、大学の公
文書館、文書館等の機関及びその職員等で構成する団体です。
 昭和51年に結成以来、歴史資料・公文書等を国民共有の財産として保存し、後世に継承、
利用を促進することを目的に活動を続けております。
 今回の東日本大震災により、被災地では多くの公文書等が毀損・散逸しており、被災地に
ある公文書等の保全や毀損資料の救済・復元は、地域住民の生活と多様な文化の再生に不可
欠であり、地域の復興とともに、地方自治の推進にとっても極めて重要であると考えます。
 また、被災経過や今後の復興過程を記録する多様な資料の収集・保存は、自治体が住民に
対する説明責任を果たす上でも必要不可欠であります。
 今春施行された「公文書等の管理に関する法律」では、地方公共団体にその保有する文書
の適正な管理に関して必要な施策を策定し、実施する努力義務を課しております。
 全史料協としても、臨時委員会を立ち上げ、公文書等の保全・保存活動を一層強力に推進
していく所存であります。
つきましては、東日本大震災の被災地にある公文書等について、全国の市長の皆様方が格段
の配慮をもって的確な施策を実施されるよう、下記の事項について強く要望いたします。

                   記

1 被災地にある公文書等の保全と救済について万全を期すとともに、その保全・保存活動
 を行う団体、ボランティア等に対する支援措置を講じること。また、必要な人的派遣や施
 設の確保のために、都道府県・市町村が適切な相互支援を行うこと。

2 公文書等の被災実態の調査を行うこと。その際、被災企業をはじめ民間団体や個人の記
 録等についても可能な限り調査の対象とすること。

3 被災した公文書館や類似施設の復旧・再建に努めること。そのために都道府県・市町村
 が相互支援を行うこと。

4 被災した市において失われた資料については、各自治体の図書館・博物館等が保管、所
 蔵する公文書等や資料からの復元方策を相互支援の中で検討すること。

5 被災から復興過程まで全体を公文書として記録し保存するとともに、民間記録も含めた
 多様な媒体の資料を収集・保存し継承するため、適切な措置を講じること。

6 公文書等が健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であるという「公文書等
 の管理に関する法律」の趣旨を生かした「震災復興構想」とすること。