全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】

第1分科会【地域史料の保存と利用】



期 日 平成14年(2002)10月17日(木)午後1時
テ|マ 市町村の史料保存から地域文書館へ
報告者 八潮市立資料館 遠藤 忠氏
内 容  
  昭和28年10月発効の町村合併促進法施行のさなか、合併に伴う旧町村の公文書を、旧役場解体に際して保存の手立てを図らずに処分した自治体が多く見られました。平成12年12月閣議決定の「行政改革大綱」においては、3200余の市町村を合併させ1000程度にする方針が打ち出されています。市町村で作成された公文書は、地域の発展を伝える貴重な記録史料であり、公文書等を失うことは合併市町村の歴史事象を失うことを意味します。昭和期の町村合併のおりに公文書が廃棄されたことを省みて、平成期の市町村合併では公文書を地域史料として保存するために、市町村合併協議会が組織された初期の合併構想段階からその保存に関する手立てを講じることが望まれます。市町村合併のメリット(効果)は多様であるとされる一方、市町村合併のデメリット(弊害)は、合併に伴い地域ごとの歴史・文化・伝統が失われるといわれます。そうしたデメリット対処のため、合併を契機に地域文書館や資料館の開設または拡充整備を図るなど、地域史料の保全が求められています。本報告では、昭和期の合併村の旧役場文書を収集し、市民の生涯学習史料として活用している埼玉県内の地域文書館の設立経過や活動事例、課題等を報告しながら、合併への対応策としての地域文書館設立についてその方策を提案してみたいと思います。
 


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