記録遺産を守るために
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】
トップページ
開催県あいさつ
 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会の第32回全国大会が本県で開催されるにあたり、開催県を代表して一言ご挨拶を申し上げます。
 昨年9月7日に開館しました岡山県立記録資料館は、公文書館建設構想から15年の歳月を経て実現しました。全国でも初めての記録資料館という名称は、公文書や古文書だけでなく、岡山県の記録を伝える様々な記録資料を対象に収集保存する施設ということに由来しており、多くの県民の方々に、ご利用いただく地域学習の拠点施設となるよう、歩み始めたところでございます。
 岡山県の明治以来の公文書や貴重な資料の大部分は、不幸にも昭和20年6月の空襲によってその多くが灰燼と化しました。その後も、昭和の大合併や役場庁舎の建替えなどで貴重な資料を多く失ってきました。しかし、この度の平成の大合併で、78市町村が29市町村になった本県ではありますが、一昨年からの当館の市町村への働きかけにより、公文書の滅失と散逸が最小限に食い止められた点は特筆されるところと自負しているところであります。
 当県では、昨年2回目の国民体育大会並びに障害者スポーツ大会を、県民総出のおもてなしの心で成功裏に導き、本年8月には「快適生活県おかやま」の実現を永続的な県政の基本目標とした「新おかやま夢づくりプラン」を発表し、2020年頃の目指すべき岡山の姿をイメージした長期構想を踏まえた県政運営を行っております。
 この会に参加されている皆様は、本大会のテーマ「アーカイブズの新時代…理想と現実のはざまで…」が示すように、理想という長期構想をかかげ、歴史資料の保存・活用の実現に向けて日々ご尽力されていることと存じます。本大会において、積極的なご討議並びに活発な意見交換を通じ、その理想を現実とするための大いなる成果を得られる端緒となることと信じております。
 さて、11月は味覚に行楽に最適な季節です。岡山といえば皆様ご存じの後楽園を始め、倉敷美観地区、吉備路などがありますが、今大会にご参加の皆様に特にお薦めしたいのが、県東部の備前市にあります閑谷学校です。1670年に岡山藩主池田光政が開いた我が国最古の藩営の庶民教育の場です。この学校は、学舎・文書庫・学生寮などを、自然の地形を巧みに採り入れて配置し、質の高い防火、防湿の設備を備えている点が特徴です。
 また、サワラ料理やピオーネなど美味しい食べ物もたくさんございます。是非この機会に「晴れの国おかやま」を満喫していただき、明日からの大きな活力としていただければ幸いです。
 最後に、皆様方にとりまして、本大会が実り多き会で、今後も高い理想に向けてそれぞれの機関でご活躍されることを祈念いたしまして、歓迎のご挨拶とさせていただきます。