記録遺産を守るために
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会【全史料協】
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研修会F
期日 
平成19年11月20日(火)13:00〜15:00
テーマ
アーカイブズを次世代に −紙資料保存の新たな取り組み−
講師
金山 正子氏((財)元興寺文化財研究所)
内容
 アーカイブズを次世代に残すためには、モノとしての寿命を永らえるための保存措置を施し続けることが必要である。万物は時間の経過によって経年劣化していくが、我々が先代から受け継いできた記録資料をさらに後世へ伝え、また日々生み出され続けていく新たな記録資料を次世代に伝えていくために、今何をすべきであるのかを考える。
 本講義においては紙資料を対象とし、次の内容で進める。資料の素材の特質を知る(支持体、記録素材、複写技法)、劣化の原因と劣化症状を診る(状態調査法)、保存環境を把握する(環境調査法)、虫菌害への対応(IPM法)、劣化予防および修復技術、などについて解説し、保存プログラム構築の具体的手法を紹介する。
 素材が多種多様化している近現代以降の記録資料には、早い時期に劣化予防措置を講じないと次世代に受け継ぐことさえできないと思われるものが多く存在している。近現代資料のための最近の保存処理技法とその課題についても触れる。